笑う時の日記

生かされも殺されもする。それが笑い。その魅力が伝われば。

それでも笑うし笑わせるんだ~『統合失調症がやってきた』ハウス加賀谷・松本キック

 

統合失調症がやってきた

統合失調症がやってきた

 

ハウス加賀谷は所謂東京のぶっこみ芸人の系譜(たこ八郎、江頭2:50など)に位置する芸人として『電波少年』『ボキャブラ天国』などの番組で活躍していた。しかし、ある日突然姿を消す。それは彼が統合失調症に侵されたためであった・・・・。

 『バリバラ』で久々に見せた彼らの姿(といっても過去活躍してた時は、自分はまだ幼くて薄っすらとした記憶しかないのだが)は元気そうであった。しかしその元気な姿に至るまでは、ブレイク前とブレイク後の二つの苦難があったのだ。そんな中で加賀谷のお笑いにかける情熱とキックの温かい支えがあってこそ今がある。自殺をしそうになったときにキックの送ったFAXは、粋で優しい芸人ならではの止め方で感動的だ。Amazonのトップレビューにある通り、子どもへの一番の悪影響はマンガやテレビではなく両親の不仲だ。そして偶然にも勉強を強制されてしまうのは芸人を志すきっかけとなったビートたけしとも被る。彼はたけしのインテリな毒舌とは違い、より狂気にアクションをする芸風ではあったが。

不遇な状況から表舞台でなしあがっていく原動力は負のエネルギーだったという。「ざまあみろ、散々人を病人扱いして!」というような。しかし、その矛盾に耐え切れずに今は正のエネルギーで生きる彼は本当の意味で強い。それはグループホームと閉鎖病棟の閉じた世界に留まらないくらいの。お笑い界まで空気を読むようになってしまった世の中をぶち壊して欲しい。

動くことで。笑う事で。世界は、自分は、変わる。


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